クラシック音楽に没頭できなくなってしまった
僕はかつて、クラシック音楽がとても好きだった。寝ても覚めてもクラシックのことばかりを考えていた。クラシックが頭をいっぱいにしてしまっていたのだ。そして、それで幸せだった。どんなにいやなことがあろうが、音楽を聴けば忘れられた。いつも心には音楽があった。
ところが、である。受験が終わり、うつになって以来、クラシック音楽に没頭できなくなってしまった。音楽を聴いても、なんとも思わなくなった。感動しなくなった。クラシックは僕の生活から離れていった。僕は、クラシック音楽を失ってしまった。人生の中で、唯一の楽しみを失ってしまった。虚無だけが残った。
没頭できるものを持っている人は幸せだ。没頭できるものがあれば、それが生きがいとなる。日々の苦悩を忘れられる。生きる意味になる。僕には何も没頭できるものがない。勉強や、読書や、音楽は僕の人生の何だというのだ。すべては無駄に思えてしまう。虚無が四方から襲ってくる。そうなると、僕は何もやる気がなくなってしまうのだ。今は、テスト三日前だが、まだ何も手をつけていない。坑うつ剤のせいか、あせらない。本当は勉強しなければいけないのに・・・。今日は十六時間も寝てしまった。自分が情けない。 ああ、没頭したい。どうすれば没頭できるのだろう。おそらく、虚無に打ち勝つ手段は没頭だ。僕はこれに活路を見出した。何事にも無関心な自分が、悲しい。
もうこの世の中に楽しいことなんてないんじゃないかと思うようになってきた。こう毎日つまらないと、楽しさを忘れてしまった。すべてが、空虚であり、むなしい。何の充実感もない。それが現実なのか。それが人生というものなのか。二十年生きてきて、どうやらこれが結論のようだ。