EverClassic

ばらは腐ってドライフラワーになった

行ってきた。初めての新国立劇場。「ばらの騎士」。もちろん、途中で迷子になって。 (超高層ビル街に突っ込んだら、わけがわからなくなった)

驚いたことに、水色のTシャツを着て、赤い上着を腰に巻くなんていう、ラフすぎるファッションの人は一人もいなかった。 ちょっと、あせった。 恥ずかしいので、すぐに自分の席へと向かった。 第一幕が始まった。 ・・・舞台が半分しか見れなかった。 (まあ、予想してたけどね) それでも何とか見ようとして、前かがみになった。 朝壊したメガネがずり落ちて、4階から1階に落下しそうになった。 音楽に悦になっていると、後ろから方を叩かれた。 おじさん「そうやって、君が前かがみになると、全く舞台が見えなくなるから、やめてもらいたい」 ぼくは「くそじじい~~」とは言わずに、言うことに従った。なんか、くやしかった。

第一幕が終わった。隣に座っていたおばさんに話しかけ、微妙に意気投合した。ご婦人は、相当なオペラ通のようだった。半年前まで、ドイツに住んでいて、オペラを見まくったそうだ。

ご婦人「今日のは、けっこうあたりですね。私はこの演目をずいぶんみてきましたが、今日のできは、いいです。」 ぼく「えっ、そうですか?ぼくはあんまりいいなとは思わないんですけど」 ご婦人「そんなことないわ。指揮者も歌手も、一流よ。ちょっと、繊細さが足りなかったり、音が大きすぎたりするところもあるけど・・・」 ぼく「ぼくは今まで、カラヤンとクライバーの二回しか聴いたことがないんです。」 ご婦人「えっ、カラヤンを聴いたの!!まだお若いのに!すごい!」

このご婦人は、ぼくが生でカラヤンやクライバーの演奏を聴いたという、すばらしい勘違いをしてくれた。さらに、ぼくが生でウィーン・フィルを聴いたといったら、

ご婦人「海外では何年くらい暮らしてたのですか?」

という質問をされた。まあ、性格は顔に出るというが、ぼくのような誠実な、気品ある、端正な性格は隠しても隠しきれるものではないのだな。

と、ここで、とんでもないことに気づいた。 間違った席に座っていた。本当は、一番後ろの席だった。1500円で、4000円の席に座ってた。(でも、舞台は見えない)

ご婦人に別れを告げ、後ろの席に移った。今度の席は、うれしいことに、舞台がけっこう見られる場所だった。前の列に、エレガントなファッションの美女5人が座っていた。 「よっしゃ~~、オレの時代が来た~!」 と思った。(意味不明)

 また、隣には普通のルックスだけどオシャレしてきました、見たいな感じの女子大生が座っていた。その人は、現代思想、と書かれた本を読んでいた。美女に哲学、これは少しそそるものがある。こちらも、数理統計学で対抗した。

 劇が始まった。舞台は、前の人の頭でさえぎられた。でも、第一幕のときよりも、よく見れた。音は、届かなかった。1500円の席なんて、そんなものさ。あまり感動しなかった。

帰りがけに、時計をなくしたことに気づいた。 今日は、めがねが壊れ、時計をなくした。オペラも対して感動しなかった。畜生、ふんだりけったりだ!

心労はいやがおうにも増さざるをえなかった。

実は、今日も新国立劇場に行く。 こんどは「ファルスタッフ」を聴く。 今日は、Tシャツではなく、Yシャツで行くことにしよう。