ウルトラ魔笛
新国立劇場で、オペラ鑑賞。(えっ、テストって、なに?)モーツァルトの魔笛。今回の演出家は、実相寺昭雄、ウルトラマンの演出をしたひと。 さすがに、演出がすごい!途中まで、これがモーツァルトのオペラであることを忘れてた。まさかモーツァルトも、自分のオペラにバルタン星人がスキップしながら登場するなんて、夢にも思わなかっただろう。
しかし・・・席が・・・。四階席の隅、いわゆる部屋のホコリが溜まる場所。 しかし、である。このような、限りなく卑屈な状況であるからこそ、興奮はいやがおうでも高まるのだ! つまり、モーツァルトのメロディーが美しく、清澄この上ないのに引き換え、僕のような虫けらのような人間が、家族から家を追い出された男が、朝の7時から大学の自習室にこもっていた引きこもりが、ゴミの掃きだめから、冬の間昆虫たちが隅っこでカサコソと密集しているようにしながら、両隣をブスに囲まれながら、耳をそばだて、精神が浄化されることこそ、崇高である。このような状況こそ、美と醜の対立は、激烈なものとなって、僕に迫るのである。
特に、タミーノとタミーナが試練を受ける場面から幕切れまでは、本当に浄化された。フィナーレにおいて、僕は「幸せになるんだ!俺は幸せになるんだ!」と何度も唱えた。音楽とは、幸福への強い憧れである。