EverClassic

春の風のようなフローリアンなフォークトの美声に感動!東京・春・音楽祭2013『ニュルンベルクのマイスタージンガー』

桜が暴風に吹き飛ばられて外を歩く気がしない今日は、上野の東京春音楽祭へ。東京文化会館でニュルンベルクのマイスタージンガーを聴く。

ニュルンベルクのマイスタージンガーを生で聴くのは初めてだ。このオペラは自分がCDで聴いた初めてのオペラだ。演奏時間はなんと5時間半。むかしは辛抱強かったのだと思う。今だったらCDだけでこの時間は無理だ・・・。

今日は、オペラの上演ではなくて、コンサート形式の安上がりな形式。なので、少し残念。演出も凝ったものではなくて、オケの前に歌手が立って歌うというシンプルなコンサート形式だった。

春の爽やかさを感じる、華やかで歌うワーグナー演奏

第一幕への前奏曲、やや早めのテンポだ。

重厚さよりも、華やかさが際立つ。バイオリンのつ艷やかな音色がとても印象に残った。 まるで、春の爽やかさが感じるような、清々しい演奏。 N響、やるじゃないか。早くも、前奏曲から涙がこみ上げそうになった。

ヴァルター役のクラウス・フロリアン・フォークト、声の迫力が他の歌手たちよりも際立つ。主役にふさわしい存在感だ。堂々としたなかに、気品も感じられる歌声(∩´∀`)∩♪

ベックメッサー役のアドリアン・エレート、知的な感じであり、ハメを外すようなこともなく、いい人に見えた。なにしろ、ヴァルター役の次にイケメンだ。第二幕の幕切れ、ベックメッサーのフルボッコシーンでも、エレートは他人ごとのように涼しい顔をしているのが、なるほどこれはシュールな笑いの喜劇だとおもったり(´・д・`)。幕切れの歌は、そんな涼しい顔が逆に笑いを誘った。

ハンス・ザックスのアラン・ヘルドも好演。目立って美声というわけではないが、ザックスのキャラクターにあっていたように見えた。コンサート形式だけれども、一番演技を感じたのは、彼。苦悩のシーンや諧謔的なシーンなど、声とともに工夫しているようだった。

エファ役のアンナ・ガブラー、繊細な部分の息遣いは震えるようで感動が伝わってきたが、声を張りげる部分は、やや耳をつくようで、清楚のキャラクターのイメージには合わなかった。

幕切れまで繰り広げられる、毒の音楽

そんなところかな。歌も合唱も、みんなみんな、素晴らしかった(a`ε・´o)

第三幕の、数あるオペラの中でも最も美しい多重唱の五重唱から続く幕切れまではドラマと音楽の緊張感が途切れることがなく、ワーグナーの毒の音楽が繰り広げられた。

この高揚感ですよ!ワーグナーのオペラは(`・ω・´)ゞ

幕切れはフォークトの美声がとにかく圧巻だった。澄んで美しいというわけではない。気品さと、無骨さを併せ持つ美しさだった。

フィナーレの合唱の感動は、マラソンのゴールに似た感動だった。洗脳に近く、もうなんだかドイツの芸樹を讃えたくなってしまった。

フォークトの『朝はバラ色に輝いて』と、『愛の洗礼式』の五重唱』、このシーンはとりわけ印象的で、いつまでも自分の思い出に残るだろう。

ワーグナー作曲 楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』

4.7 [日] 15:00開演(14:00開場) 東京文化会館 大ホール

指揮:セバスティアン・ヴァイグレ ハンス・ザックス:アラン・ヘルド ポークナー:ギュンター・グロイスベック フォーゲルゲザング:木下紀章 ナハティガル:山下浩司 ベックメッサー:アドリアン・エレート コートナー:甲斐栄次郎 ツォルン:大槻孝志 アイスリンガー:土崎 譲 モーザー:片寄純也 オルテル:大井哲也 シュヴァルツ:畠山 茂 フォルツ:狩野賢一 ヴァルター:クラウス・フロリアン・フォークト ダフィト:ヨルグ・シュナイダー エファ:アンナ・ガブラー マグダレーネ:ステラ・グリゴリアン 夜警:ギュンター・グロイスベック 管弦楽:NHK交響楽団 合唱:東京オペラシンガーズ 合唱指揮:トーマス・ラング、宮松重紀 音楽コーチ:イェンドリック・シュプリンガー