[N響・ワーグナー・オーギャン]ワーグナーガラコン 鬼才を放つブリュンヒルデの黄昏に感動!
今日は、NHK音楽祭2013 ワーグナーのガラ・コンを聴きに、NHKホールへ。
~ワーグナー・ガラ・コンサート~ ワーグナー/舞台神聖祭典劇「パルシファル」から 前奏曲、「役立つのはただ1つの武器」 ワーグナー/楽劇「トリスタンとイゾルデ」から「前奏曲と愛の死」 ワーグナー/楽劇「神々のたそがれ」から「夜明け」 「あなたの新しい働きを」 「ジークフリートのラインの旅」 「ブリュンヒルデよ、神聖な花嫁よ」 「ジークフリートの葬送行進曲」 「ブリュンヒルデの自己犠牲」
指揮:フィリップ・オーギャン ソプラノ:エヴァ・ヨハンソン テノール:サイモン・オニール
NHK交響楽団
本当ならば、ペーター・シュナイダー氏が登壇予定だったが、選手交代でフィリップ・オーギャン登場。この人知らないのだけれど。まずはお手並み拝見。
闇の前半プログラム
前半は、パルジファルとトリスタンという、ワーグナーのねっとり系の闇が楽しめるプログラム。パルジファルからはじまるというのが渋いではないか
汚らしきこの世を忘れ、浄化された美しい音楽世界へと旅立つ準備の音楽。目をつむり、腹式呼吸をしながら、瞑想にふける。(以下に参考文献)頭を空っぽにして、雑念を消し、純粋に頭脳に音楽を注ぎ込む準備をすすめる。
始めよう。瞑想―15分でできるココロとアタマのストレッチ (光文社知恵の森文庫) 宝彩 有菜
と思ったが、目の前に立てかけた傘が倒れそうで、実際はヒヤヒヤで音楽に集中できなかった。NHKホールには、傘を預ける場所がない!
後半のプログラムは、ワーグナーの神々のたそがれをたっぷり。自分は、たそがれの夜明けからジークフリートのラインの旅へとかかるこのシーンが、ワーグナー作品の中でもとりわけ大好きなので、今日のようなガラコンは本当に嬉しい!!
オーギャンは、各楽器をはっきりと鳴らす。とくに、動機を明確に響かせたり、歌に合わせてオケを合わせていくところを見ると、ああこの人はオペラに慣れているという印象を受けた。
オーギャン氏の指揮は、取り立ててクセのない(個性のない)、聴きやすい音楽だ。やや、テンポが早めで、派手(金管やシンバルとか)。しかし、ドイツ音楽は低音が命という大前提に従う重厚さをキープしているので、よし。
やっぱりN響はいいね
N響、弦が素晴らしい!いろいろ褒めたりけなしたりしてきたけれども、やっぱりN響は世界のN響だよ。固まる前の液体チョコレートのような、濃厚で甘く、重厚で深みのあるバイオリンの統一感。これがN響サウンド。ただし、金管がときどき安定しないラインの旅にかかるところで、安定しなかったのは許せない。
サイモン・オニールは、ややリリックな声を持つ美声を聴かせる。しかし、今日の主役はソプラノのエヴァ・ヨハンソンだろう。彼女がすごすぎて、オニールは影にかすれてしまう。
鬼才のエヴァ・ヨハンソンにタジタジ
エヴァ・ヨハンソン、この人は癖がある。天才とも秀才とも言えないが、鬼才、そんな歌声だった。まず、あんまり美しくない(声がという意味。顔は見えませんでした)
イゾルデは繊細さが無いし、たそがれでの夜明けのシーンも、優しいブリュンヒルデのイメージはまるでなし。そんなヨハンソンだが、歌声の先々に感情の火花が飛び散るような、キレた歌い方をする。そんな歌い方がオペラにマッチしていたかどうかは疑問だが、この人はスゴイというオーラがひしひしと伝わってきた。
そして、有無をいわさぬ圧倒的な声量である。オケを突き抜け、響かないNHKホールまで余裕で届く。テノールのオニール涙目ww。
そんな、ヨハンソンだが、最後のブリュンヒルデの自己犠牲では、独壇場の圧倒的存在感だった。力強い決断と優しさが求められるこのシーン。力強い声の伸びに、アゴが震えて思わず涙がにじむ。ソプラノの声で涙にいたることって、自分の経験ではめったにあることではない。そのくらい感動した。文句なしにスゴイ!!プラーバ。
N響だん。エヴァ・ヨハンソンの歌唱力が圧倒的すぐる。( ̄O ̄;) そして、音楽祭なのにアンコールをしてくれないN響にブラボー。( ̄O ̄;) — きつね (@tsu_nera) October 2, 2013