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[新国・ホフマン物語]3つの物語を通じて生きる虚しさを堪能する物語

今日は,ホフマン物語をききに新国立劇場へ。

ホフマン物語 Jacqus Offenbach : Les Contes d’Hoffmann ジャック・オッフェンバック/全5幕 【フランス語上演/字幕付】

指揮フレデリック・シャスラン

ホフマンアルトゥーロ・チャコン=クルスニクラウス/ ミューズアンジェラ・ブラウアー オランピア幸田浩子 アントニア浜田理恵 ジュリエッタ横山恵子 リンドルフ/コッペリウス/ミラクル博士/ダペルトゥットマーク・S・ドスアンドレ /コシュニーユ/フランツ/ピティキナッチョ高橋 淳 ルーテル/クレスペル大澤 建 ヘルマン塩入功司 ナタナエル渡辺文智 スパランツァーニ柴山昌宣 シュレーミル青山 貴 アントニアの母の声/ステッラ山下牧子

合唱新国立劇場合唱団 管弦楽東京フィルハーモニー交響楽団

けっこう久しぶりの新国立劇場だ。Z席でない4階席は、実は初め。さすがにZ席よりも見やすい。多分これからは、D席にお世話になる気がする。新国立劇場の4階席は、実は音響は悪くないので、満足。舞台が小さい(>_<)

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ホフマン物語、初めての鑑賞。オリンピアのアリアとか、舟唄とか、部分的には知っているけれども、通して聴くのは初!オッフェンバックなんて、天国と地獄しか知らなかったりする。

第2幕、プラックライトと蛍光カラーを強調した演出。蛍光カラーとは、工事現場の誘導員が来ているアレ。舞台がビカビカ光っていて、目にはやさしくない演出。

オリンピアの歌、痛快!高音を外すことがないコロラトゥーラは聞いていて愉快。群衆の衣装も工事現場の人たちみたいにビカビカ光りながら細やかに動くので、全体としてなんだか狂ったような演出だ。

オリンピアはねじ巻き人形なので、ネジを巻くと元気になる。ネジを巻くという発想に時代を感じる、とともに21世紀には古臭い内容だと呆れたりする。ねじ巻き人形は、現代に置き換えれば二次元キャラや初音ミク?そんな仮想の女の子に萌ぇ――(〃д〃)――!!としているホフマンは滑稽。

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第3幕は、崩れた空間が舞台にひろがる。キャリアウーマンに翻弄されるホフマン。この場面が一番現代に通じそうな内容だ。この場面はそれなりに感情が昂ぶり盛り上がるが、これは全体の物語を形作るピースにすぎない。

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第4幕、有名な舟唄が流れる。悪女に翻弄されるホフマン。絶対にアンナ女を好きになることはない!と大声で叫びつつ、数分後にはめろめろになるという、オペラ的な展開のはやさがなかなか滑稽。

最後には、ジュリエッタに捨てられて惨めな笑いなか、幕が降ろされる。そして、静かに舟唄のメロディーが流れる。ここが本日一番感動的なシーン。3つの異なる物語を懐かしみながら、時空をさかのぼり、過去から現代へと向かっていくような感覚。このへんが、この作品が幻想的と呼ばれるワケの気がする。

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第5幕、この不思議な物語の構造を締めくくる重要な幕。『仮想の女の子、キャリアウーマン、風俗嬢』に捨てられた、惨めなホフマンが、最後にステッラにステッラれる。悲劇的な展開はオペラに多いけれども、こういう虚無的な展開はなかなかないのでは?この虚しい最終幕で、この作品が好きになった。それまでは、なんだかつまらんオペラだなとおもってたけど。

最後に、ホフマンはピストルで自殺して倒れる、ここは本日二番目に感動的なシーン。ここで、物語が終わってくれれば、本当に感動的だった。そのあと、よけいな教訓的合唱がつづき、感動が興ざめしてしまったよ。